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子育て支援事業

わんぱく教室(くるみっ子教室)について

・対象者
家庭で保育をしている親子(0歳〜就学前のお子様)

10:00~11:00
   室内遊び・戸外遊び
11:00~11:30
   絵本の読み聞かせ・手遊びやリズム体操
   親子の触れ合い遊びなど
 
是非遊びに来て下さい口を広げてにっこりした顔
たくさんのご参加お待ちしています

実施日及び時間

1)毎週火曜日
 
2)午前10時〜午前11時30分頃
 
3)担当保育士 1名

子育て情報

4月 育児不安をもつお母さん
 育児に関して様々な不安とか、いらだちをもっているお母さんが沢山いらっしゃるわけですが、どういう人たちに育児不安が多いかと申しますと、地域の人たちとの交流が「消極的だ」と感じている人に圧倒的に多いということがわかってきました。いまのお母さんは一日中、自分の子どもと向かい合っていることに耐えられないのです。これは現代社会のひとつの側面で、人々が多様なことに興味、関心、そして知識もつようになったからです。一世代、二世代前の人たちは、興味や知識の幅がせまくて、あれこれやりたいことの関心も意欲も乏しかったのだと思います。ですから情報の少なかった時代のお母さんは、自宅空間だけで子どもと向かい合っていることに、現代人のようなストレスは感じなかったのだと思います。もっとも、その当時の地域社会には窮屈さの中にも豊かな人間関係がありました。ようするに、人間関係が少ないお母さんほど、極端なことを言うと、育児が下手になるということです。人間というのは、人づきあいが少なくなればなるほど、あるいはできなくなるほど、不安が強くなり、いらだちが強くなり、疲れやすくなるということが、どうもあるようです。「人と会うことの不安」というものを、現代人は個人差はあっても、心のどこかに持っているようです。そこで、もうすこしつっこんでみてみますと、どういう人がどういう状況の時に育児不安が強くなってしまうのかということですが、ひとつの要素に夫や実家の家族との関係があります。いろんな場面で、夫や実家の母が育児に協力的に手伝ってくれる場合に、お母さんは疲労を感じにくい、いらだちを感じにくい、これは当然ですね。さらに、ここで興味深いことに、育児はほとんど手伝ってくれないが、日常の生活において、夫や家族とのコミュニケーションに満足を感じているお母さんは、おなじように疲労を感じにくい、いらだちにくい、不安も感じにくいらしいのです。具体的に育児そのものを手伝ってくれる、これはもちろんたいせつなことです。けれども、日ごろの会話、コミュニケーションに満足しているお母さんと、夫や家族が育児に協力してくれると感じているお母さんとでは、調査結果で読み取れるものには、ほとんど差が無かったということです。ですから、あらためて私たちは、できるだけ人との関係に不安や疲れを感じないように、日々心掛けて生きるようにすることが大切なのだと思います。

5月 育児不安とは何か
 お母さんたちは、具体的にどういうことに育児不安をいだいているのか、おおよそつぎのような三点にまとめられると思います。一つめは、よく雑誌などに子どもの体や行動の発達表などが載っていますが、そういうものと比較して、自分の子どもが思うように発達していない、そこに書かれているマニュアル通りに育児をやろうとしても、うまくいかないということがあります。二つめに、夫や家族との会話が少なく、孤立感を強くもっているということ。三つめは、働いていた女性が子どもを産んで仕事を辞め、いままでの会社の同僚とも話す機会も少なくなり、また、たまに会っても、話が合わなくなり疎外感を感じてしまうということ。それらの三つの要素が混じり合って、育児がうまくいかないことを『育児不安』とよんでいるように思います。では、何故現代のお母さんは、育児が苦手になったかというと、それは人間関係が苦手になったから、ひとことでいえば、そういうことなのです。親子関係だけを一生懸命やっても、親子の関係はうまくいかないし、育児不安もなくならないのです。夫婦関係、家族関係、近所の人、保育園の人との関係など、いろんな人間関係の一部が親子関係なのです。ですから、多様な人間関係ができる人の方が、それだけ子どもとの関係も柔軟にできるでしょうし、育児不安にもなりにくいものです。相互協力といって、夫婦関係、家族関係、職場の人たちとの関係、近所の人との関係、保育園の人との関係、そういう関係の中で、いつも自分は守られているし、自分も相手を守っているのだ、という気持ちで日々を生きている人は、自分の存在への不安も小さいと思います。育児不安というのは、お母さんの自分の存在自体にたいする不安だと、私は思います。人間のあらゆる努力の営みは、つまるところ「疎外感や孤立を回避しようとするものである」といった高名な心理学者がいますが、人間関係の中でやすらいで生きたいという感情は人間の本能なのです。ですから、自分の存在自体にたいする不安を解消するためには、人間がみんな、自分の周囲の人と、おたがいに守り守られて生きているという気持ちになれば、存在への不安は小さくなると思うのです。そうすると育児不安も、当然小さくなると思うのです。その結果、ずいぶん楽な気持ちで育児ができると思います。親子がたがいに、相手によって生かされているという、喜びや感謝に満ちた気持ちがあれば、自然な育児というものは、かならずできるものだと思います。孤独ということは、人間にとってはそれ自体、存在の根源をゆるがされることですから、健康ではいられないのです。私たちにとって、知人、友人、家族、近所の人、お世話になっている人、そういう人がなぜ必要かというと、そんなわけがあるからなのです。私たちは職場の同僚に大事にされることが、そして、自分も相手を大事にしながら、生きていくことが大切なのです。家族を大切にすること、職場以外でも、友人、知人を大切にし、そして自分も大切にされることが大事なのです。そういう相互関係を思って生きることが必要なのです。人間の生の営みは、どんなに個人的な働きをしているように見えても、すべて相互関係なのですから。
出典:「子どもへのまなざし」
    児童精神科医 佐々木正美


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